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作品制作について
1986年以降、公募展を中心に展覧会活動を行ってきました。最初の頃は織のタピスリーを出品していましたが、織の技法で続けて行くことよりも、何か違った方法はないものかと模索する中、1995年に開催した個展での作品から、糸素材そのものを使う方法へと変更しました。
その後は少しずつ変化しながら、現在は織の技法も取り入れた作品を制作しています。サイト内でご紹介しているテキスタイルアートは、その一例です。形にはまらず、染織以外の木、紙、金属といった異なる素材も取り入れ、糸が最も美しく見える表現になるよう心がけています。また、制作時の心境に沿った技法、素材を使い、作品を表現できるよう努めております。
表現について
この数年のテーマとして、構築物をイメージした形は、自身や社会文化が積み上げてきたものを表現しています。黒と白はその中にある多種多様な両極性、両極の間にある多様な思考を多色で表し、違う考えでも互いに理解することができるようになれば良い、という考えで制作しています。
作品を表現するということは、作家がこれまでに築いてきた経験や歴史の中から抽出されたものを、その時の社会背景などを考慮しながら形にすることであり、工芸においては様々な素材と技法の中から作家独自の表現を行い、自身を表現することにあります。
形式にとらわれることなく、様々な楽しみ方や鑑賞の仕方ができるため、人の数だけ解釈の数もあるでしょう。同じ作品を見ても、そこから感じるメッセージは人それぞれで、そこが美術鑑賞の面白さとも言えます。
作家の思いや考えを一方的に押しつけるのではなく、皆様に自由に鑑賞していただき、その中で一つでも共通するところがあれば、とても嬉しく感じます。
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